ギター弾き語り演奏を入力とした 自動編曲システムの試作

Main Author: 大内彬裕
Format: info publication-thesis Journal
Bahasa: jpn
Terbitan: , 2016
Subjects:
Online Access: https://zenodo.org/record/6214956
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  • 現代のポピュラー音楽におけるアマチュアバンドの多くは, ヴォーカル・ギター・ ベース・キーボード・ドラムによって構成される. このようなアマチュアバンド がオリジナル楽曲を作成する場合, メンバーの一人が全パートを作成することは稀 である. 多くの場合, メンバーの一人がギターなどを利用し弾き語り楽曲を作成す る. そして, その弾き語り楽曲をメンバー全員で聴き, メンバーがそれぞれの担当 パートを作成する. しかし, こういった作業は豊富な知識と高い技術を必要とする ため, 初中級者をメンバーに含むアマチュアバンドには難易度が高い. よって, ギ ターによる弾き語り演奏をバンド演奏用譜面に自動編曲できれば, アマチュアバ ンドにとって有用であると考えられる. しかし, 従来のギターを利用した自動編曲 に関する多くの研究は, コード進行などを入力し自動編曲を行う研究であるため, ユーザによるギター弾き語り演奏を入力しバンド演奏用譜面に自動編曲するもの はなかった. 本研究では,ギター弾き語り演奏用譜面とバンド演奏用譜面の関係に着目し事例 ベース推論を用いることで, ユーザによるギター弾き語り演奏をバンド演奏用譜面 に自動的に編曲するシステムを実現する. 同一楽曲のギター弾き語り演奏用譜面 とバンド演奏用譜面の関係は, ユーザが演奏したギター弾き語り譜面とそれを編曲 した楽曲の関係に共通している. あらかじめ同一楽曲のギター弾き語り演奏用譜 面とバンド演奏用譜面の組からなるデータベースを構築する. そして, ユーザによ る演奏が入力されたときデータベース内から最も類似するギター弾き語り演奏用 譜面を事例探索する. その後, 類似するギター弾き語り演奏用譜面と対になるバンド演奏用譜面を修正することで自動編曲を行う. 実験では, 事例探索の妥当性とバンド譜面修正の妥当性の 2 点について検証した. 類似検索の妥当性においては, ユーザによる演奏の精度が大幅に低下しても事例探 索の精度は低下せず, 最も類似するギター弾き語り演奏用譜面をデータベースから 検索することが可能であることが確認された. また, バンド譜面修正についての妥 当性は, 本システムと本システムからリズム修正機能を削除したシステムの編曲結 果を比較し, リズム修正の妥当性を検証した. 同様に, 本システムと本システムか ら構成音修正機能を削除したシステムの編曲結果を比較し, 構成音修正の妥当性を 検証した. その結果, 構成音修正とリズム修正の両方に必要性が確認された.