複数ユーザーが同一楽曲を聴くための選曲・再生システム
Main Author: | 鈴木潤一 |
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Format: | info publication-thesis Journal |
Bahasa: | jpn |
Terbitan: |
, 2017
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Subjects: | |
Online Access: |
https://zenodo.org/record/6214839 |
Daftar Isi:
- 音楽を鑑賞するシチュエーションの一つとして、複数人が同じ楽曲を聴く場面 が存在する。そのような場面の選曲手法の一つとして、各自の楽曲に対する気に 入る度合いを統合し全員の音楽の嗜好を考慮する方法がある。しかしユーザーの 楽曲に対する嗜好のデータは、シチュエーションによって収集が困難である場合 がある。そのため楽曲に対する嗜好データの不足は、選曲を行う際において問題 の一つであり、嗜好データの推測について様々な手法が提案されてきた。 本研究では、ユーザーが普段からスマートフォンのような端末に、好きな楽曲 を保存し聴いている事を想定し、複数人で同じ音楽を聴く際に各自所有する端末 から楽曲を再生するようなシチュエーションに着目する。各自のスマートフォン に保存されている楽曲を気に入る度合いである期待度を、自身の所有するスマー トフォンに記録されている鑑賞履歴や楽曲情報を用いて推測し、選曲を行い楽曲 一覧を生成する。生成した楽曲一覧に沿って同一スピーカーから再生することで ユーザー間で楽曲を聴かせ合うことができる。このシステムを利用することで、複 数人で同一の楽曲を聴く際に、特定の個人の嗜好のみが反映された BGM が続く状 況や、とあるユーザーにとって嗜好に合わない楽曲が選択されるのを回避し、そ の場にいる全員の嗜好を満たすことを期待する。 実験において、我々は「再生回数が多い楽曲ほど期待度も高い」という仮定 1 と、「類似している楽曲は、ユーザーの期待度も類似する」という仮定2の基、ユー ザーが所持していない楽曲に対する期待度の推測を行い、推測した期待度と再生 回数から決定した期待度の関係を分析した。実験結果では、再生回数から決定した期待度と推測した期待度の相関係数について 0.5 以上の値が得られた。更にユー ザー毎の相関係数を求めた結果、354 名の内 157 名が相関係数について 0.5 以上の 値であり、正の相関関係であった。この結果からユーザーの好きな度合いである 期待度が再生回数に対して単調増加すると仮定した場合に、本研究で提案する手 法は、ユーザーの期待度の推測に有効である事が分かった。